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「マスピタ(内視鏡用)」開発ストーリー

現場の声から製品へ変革をもたらす
SDGsを医療へ

医療法人山下病院 サステナビリティ推進室主任 看護師 常見 麻芙つねみ まふ × ㈱タナック 営業開発部第一営業開発課係長 福島 良太ふくしま りょうた

マスピタ(内視鏡用)は岐阜市に本社があるゲル素材メーカーのタナックと、一宮市の医療機関山下病院の出会いから誕生しました。

医療現場から聞いた、従来製品の「想定外」の利用方法

山下病院でマスピタを活用されていることを知ったきっかけは?

福島:「マスピタ」の発注個数が多く、医療現場のスタッフが活用されているものだと思い、現場の状況を知りたいとこちらから声を掛けました。

常見:まさか、内視鏡検査時に使っていると思わなかったですよね。

福島:そうですね。正直、使用方法を知って社内全体で驚きました。想定外!でしたね。

マスピタは一般ユーザー向けの感染対策用品として、マスクの隙間からの粒子の侵入を抑える製品として使用されていますが、どのように知ったのですか?

常見:今回の新型コロナウイルス流行に伴い、医療現場は混乱に陥りました。マスク等の医療資源不足という事態にも私は看護師になって初めて直面しました。また、早急に飛沫リスクのある内視鏡検査時の感染対策を考えていかなければならなかった。特に、胃カメラと皆さんが呼ばれている内視鏡検査は、患者さんの咳き込み等の飛沫やエアロゾル発生が多いことがわかっていたからです。

その時にマスピタという製品があることをマスメディアで知り、活用できるのではないかと閃きました。

まずは個人で試しに1枚購入し、実際に装着しました。触感が優しい点と伸縮性に驚いた、というのが第一印象です。ガーゼとマスピタを組み合わせることで、患者さんの口から発生する内視鏡時の飛沫抑制効果は得られると考え、院内で検討し、新型コロナウイルス流行直後から内視鏡検査時に使用を開始しました。

一般ユーザー向けマスピタから、マスピタ(内視鏡用)への提案

マスピタの改良はどちらから声をかけられたのですか?

常見:数多く使用していく中で、今後も継続して使用していきたいと思いました。しかし、いくつか問題点も浮かび上がっていました。改良について当院から一度タイミングを見て声をかけようと考えていた時に、偶々タナック様が当院にお越しになると聞いて驚きましたが、とても良い機会だと思いました。そのタイミングで、当院から「内視鏡時の感染対策は喫緊の課題です。医療従事者を守る製品として新たにマスピタを改良した形は開発可能でしょうか?」と提案しました。

福島:内視鏡時の使用という想定外の活用方法を確認するため、まずは実際に山下病院様へ伺い、内視鏡検査時のマスピタ活用方法を把握させて頂きました。普段は知ることのない医療現場を直接確認することで、医療従事者の感染リスクの高さや、感染対策製品の必要性を感じることができました。

タナックは山下病院と「マスピタ(内視鏡用)」の共同開発へ

マスピタの改良に重点を置いたことは何ですか?

常見:私は当院および学会活動としてもSDGsにも取り組んでいます。その中で、マスピタの繰り返し使用可能な点は非常に魅力的でした。医療現場は大量消費、大量廃棄されるものが大半を占めていますが、繰り返し使用可能なものは継続して使用する取り組みも必要です。

私たち医療従事者も環境への配慮のみならず、今後の新規感染症に備え持続可能性を考えた製品が必要です。また、設計には人間工学に基づいた製品にしたいことをお伝えしました。人間工学は人の特性に合わせて仕事・機械・環境を適正化する実践科学で製品の設計に必要な考え方です。

福島:リニアエコノミーからサーキュラーエコノミーの転換が謳われている中で、医療現場は特別でいいのか?という問いかけの挑戦に魅力を感じました。

SDGsや人間工学について熱く語っていただき、当社もSDGsに対して取り組んでいること、正しく設計された製品で医療の課題を解決するために貢献できれば、と思い、山下病院様の想いに賛同しました。私たちも持続可能性を考えたモノづくりを行っていかなければなりません。私たちの知らない知識を教えて頂き、私たちが持つ専門知識を掛け合わせ、どの分野でも当社が出来ることは全力で取り組みたいと思っています。

医療現場での適切な評価、現場の声を素早く製品に反映、試作と評価を繰り返し、着手からわずか2カ月というスピードで製品化へ

短期間でマスピタ(内視鏡用)が製品化された理由をお聞かせください。

常見:コロナ渦になってからオンラインでの打ち合わせが主流となり、今までに比べ会議の回数を密にできるようになりました。ただし、製品は直接見て触って確認しないといけません。福島様がこちらの要望を受け取り、社内で直ぐに検討し、必要時は足を運んで迅速に対応していただきました。

福島:常見先生、山下病院様の迅速適切な試作品評価、また評価から具体的なご要望を頂けたからこそです。現場の声を大切にし、その上で私たち会社の専門性を強みにより良い製品に仕上げていくために、スピード感を持って対応するように心がけています。特に今回は医療現場の感染対策として早く皆さまに活用していただきたい想いがありました。これからもその気持ちを大切にし、SDGsに配慮した製品開発へ繋げていきたいと思っています。

常見:これからもよろしくお願いします。とても頼りにしています。


パーティクルカウンターにて製品評価を行い、内視鏡検査時に飛散する粒子を抑制できることを確認しました。


  • 測定機器:パーティクルカウンター(KC-52)
  • 粒  径:0.5μm
  • 測定条件:パーティクルカウンターから口元まで約20㎝
  • 咳  嗽:10秒間隔で咳き込み1回

医療現場の想定外の声から生まれ

SDGsも考えられた製品「マスピタ(内視鏡用)」が

少しでも医療従事者を守ることに繋がれば幸いです。


販売元:株式会社タナック
〒500-8185 岐阜県岐阜市元町4丁目24番地
https://www.k-tanac.co.jp/

お客様相談室

0120-638-122
平日9:00~17:00(土日祝日は除く)

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